アジアにおける人口・食糧・環境の持続性

平成14年度 成果一覧

川島博之(東京大学 大学院農学生命科学研究科 助教授)
石見徹(東京大学 大学院経済学研究科 教授)

要旨

日本、中国、タイを選び食糧の生産を、西欧との対比において検討した。本検討は歴史的視野に立ち人口と食糧の問題を論じている点に特色がある。西欧諸国は 19世紀までに人口増加が見られたが、アジアでは20世紀に人口増加が見られた。人口増加率は20世紀後半になりアジアでも減少している。農耕地は20世紀前半まではアジア、西欧共に増加していたが、20世紀後半には減少している。20世紀後半においては、反収の増加が著しい。歴史的視点で見た時、世界が食糧の供給において危機的な状態にあったのは、20世紀前半のように思われる。技術革新におより反収の増加が容易となった20世紀後半以降、食糧の供給において人類が危機的な状況に陥る可能性は少ないように思われる。

キーワード

歴史的視点、人口、穀物生産、耕地面積、反収