アフガニスタンにおける疾病リスク認知・スティグマと保健サービスのあり方に関する研究

平成21年度 成果一覧

佐藤 元  (東京大学大学院医学系研究科・社会医学専攻講師)
ウリシュミン (サバウヌ 東京大学大学院医学系研究科・博士課程)

要旨

アフガニスタンは、長い内戦によって社会基盤が崩壊し、現在、再建途上にある。中でも国民の安全保障と健康の維持は大きな課題であるが、人々の健康格差の存在が示唆されている。医療格差(保健サービスの利用、アクセス障害)を生む社会経済構造、保健医療サービス体制、また社会集団・個人の特性には種々のものがあるが、特に、家族観や性差、地域差、疾病・保健サービスに関する知識、疾病観・スティグマ、保健医療サービスの供給体制(公私の別を含む診療所・病院の施設特性、伝統的医療の位置付け、地理特性、経済的負担などを含む)などが重要な要因と想定されている。本研究では、アフガニスタン東部の4県(Nangarhar, Laghaman, Kunar, Nuristan)の14医療機関を受診した患者を対象として、結核罹患者の受診行動、特に発症から診断までの期間とその規定要因について調査解析を行った。結核発症後、医療機関を受診し診断が確定するまでには、平均で60日から350日と非常に長期間が経過しており、また大きな地域差が存在している。これらの規定要因として、初発症状、初診医療機関の種別、医療機関までの距離・交通手段、世帯構成や収入、また疾患に関する知識やスティグマが考えられた。

キーワード

アフガニスタン、疾病リスク・スティグマ、保健サービス

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