インドネシアにおける食料生産と共存するエネルギー作物生産

平成20年度 成果一覧

川島 博之(東京大学大学院農学生命科学研究科 准教授)
河内 惇(東京大学大学院農学生命科学研究科 大学院生(平成20年度修了))
新藤 純子(農業環境技術研究所 主任研究員)
岡本 勝男(農業環境技術研究所 主任研究員)

要旨

東南アジアで最大の国土面積を有すインドネシアを対象とし、食料と競合することなく、森林面積を減少することなく生産可能なエネルギー作物の潜在量を推計した。東南アジア各国では、経済成長による食の欧米化に伴い、一人当たりコメ消費量の低下が起こり始めている。一方、コメ単収は着実に増加し続けており、今後はエネルギー作物生産が可能な余剰水田の発生が期待される。近年インドネシアにおいても、一人当たりコメ消費量が飽和に達したが、それと同時に地域間格差が深刻化しており、生活水準によって食料消費量にも顕著な差が現れている。そこで推計に当たっては、支出階層別の食料消費形態を考慮した上で、余剰水田の発生とエネルギー作物生産の可能性を検討した。2030年のインドネシアにおけるコメと動物性食品の一人当たり消費量は、それぞれ現在の0.9倍と1.8倍になった。また、コメと穀物飼料の単収増加により、2030年には53万haの余剰水田が生じ、そこからサトウキビ4,600万トンが生産されると推計された。これより製造されるエタノールは、日本のガソリン消費量の3.8%分を賄える値となる。

キーワード

エネルギー作物、インドネシア、食料需要、余剰農地

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