ネパールにおけるHIV/AIDS患者のための持続可能なケアとサポート

平成20年度 成果一覧

クリシュナ・ポウデル(東京大学大学院医学系研究科 国際地域保健学教室)
カルパナ・ポウデル-タンダカー(東京大学大学院医学系研究科 国際地域保健学教室)
安岡潤子(東京大学大学院医学系研究科 国際地域保健学教室)
神馬征峰(東京大学大学院医学系研究科 国際地域保健学教室)

要旨

エイズ患者は、幅広い内容のケアとサポートを必要としている。エイズ患者数の継続的な増加に伴い、特に発展途上国において、ケアとサポートへのアクセスの向上及びサービスの持続性が課題となっている。本研究では、エイズ患者自身が、ケアとサポートのサービスの向上に果たす役割を検証した。2009年3月には、ネパールの首都カトマンズにおいて、エイズ患者がエイズ患者のために運営しているNGO5団体の職員を対象に、インタビュー調査を行った。更に、これらの組織の報告書を通して情報収集を行った。その結果、これらの組織が様々なエイズケアとサポートのサービスを提供していることがわかった。例えば、ART(抗レトロウイルス薬)による治療を必要とする患者のための生活支援(住居、食料などの提供)、通院または入院患者のためのサポートサービス、最近HIVが陽性と判明した患者やHIV感染を公表したいと望む人々、また汚名や差別に苦しむ人々の精神的なサポート、ARTを受けている患者の治療リテラシー、薬物使用者の矯正医療、日和見感染症や他の健康問題を抱える人々のプライマリケアサービス、病院での治療を必要とする人々の送迎サービスなどである。最初は、全ての組織がこれらのサービスをカトマンズのみで提供していた。しかし、2008年までに、ネパール国内全75地区のうち35地区において、これらのサービスが受けられるようになった。2008年だけでも、2684人のエイズ患者に生活支援サービスが、486人の患者に自宅療養のサービスが、1245人の患者にプライマリヘルスケアサービスが提供された。この研究により、エイズ患者自らが、エイズ患者のためのケアとサポートへのアクセスを向上させることができることが明らかになった。

キーワード

ケアとサポート、HIV/AIDS患者、ネパール