ヒューマン・サステイナビリティ~理念と教育プログラム開発~

平成18年度 成果一覧

跡見 順子(東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系 教授)
大築 立志(東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系 教授)
石井 直方(東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系 教授)
柳原 大(東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系 助教授)
桜井 隆史(東京大学大学院総合文化研究科生命環境科学系 助手)
葛西 康徳(大妻女子大学文学部コミュニケーション文化学科 教授)
大澤 具洋(東京大学大学院総合文化研究科 ヒューマン・サステイナビリティ・プロジェクト・メンバー)
大戸 恵理(東京大学大学院総合文化研究科 ヒューマン・サステイナビリティ・プロジェクト・メンバー)
チー・ヒョンソク(東京大学大学院総合文化研究科 ヒューマン・サステイナビリティ・プロジェクト・メンバー)

要旨

従来の多くの教育方法は、知識伝授あるいは実習のみで時間が経過する型で成されているため、自分が生きているそのこと、学習可能な自身を対象化して認識することができなかった。本研究では、東京大学の1年生を対象に平成18年度から3000人全員に実施した「現場で実際に自分が行う、あるいは観察することそれ自体の自身の時間変化を可視化・言語化し、動物であり同時に人間である自身を学習理解する」新しい身心一体型教育を紹介する。年間5コマ(種目)の内容は、1)意識-実践間の落差の理解, 2)サルからヒトへの進化の駆動力となった立位、歩行の基本原理、3) ホメオスタシスが成立する走強度、4) 身体を構成・再生する自律的適応的な生命の単位としての細胞、5) 蘇生法としての呼吸・心マッサージである。これらのプログラムは、身体運動実習室で、からだを動かしてやってみながら脈拍や自分自身のデータをとり解析する。脳科学と生命科学の最近の知見に基づいて、活動依存的に学習、適応してゆく自分自身を理解するプログラムである。実習終了後のアンケート結果から、学生にも好評であった。現場での身体のもつ学習可能性を土台にした学習の一つの型は有効であると結論した。

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