下痢症ウイルス流行の季節性と分子疫学の国際間比較

平成16年度 成果一覧

牛島 廣治(東京大学 大学院医学系研究科 国際保健学専攻)
柳生 文宏(東京大学 大学院医学系研究科 国際保健学専攻)
沖津 祥子(東京大学 大学院医学系研究科 国際保健学専攻)

要旨

日本、中国(昆明)、ベトナム(ホーチミン)、ロシア(ビロビシャン)の小児において下痢症ウイルスであるロタウイルスとノロウイルスの流行状況を 2000~2004年の間で、月別、気候別で調べた。また血清型(遺伝子型)を検討した。採取した検体数および年は国により異なるが、ロタウイルスはベトナムのような年間気温差が少ないところでは一年を通じて検出されるものの、気温差が年間で見られるところでは、冬季に多く見られた。また、わが国ではロタウイルスとノロウイルスでは、同じ冬季でも検出時期は異なっていた。過去の我々の研究結果を加えるとロタウイルスの血清型は従来G1が多かったが次第に減少してきて、他の血清型に代わってきていることがわかった。ノロウイルスに関してはGII/4が主で、次にGII/3が見られた。小児の下痢症の流行を考える場合、ウイルスの性質とともに気候、年、地域さらに宿主の免疫が相互に関係することが示唆された。

キーワード

下痢症ウイルス、アジア、季節性、分子疫学