健康リスクの戦略的管理・コミュニケーションに関する国際共同研究

平成19年度 成果一覧

佐藤 元(東京大学大学大学院医学系研究科社会医学専攻 講師)

要旨

本研究は、アスベスト(石綿)および牛海綿状脳症(BSE、狂牛病)に関する対策を事例として、日本・アジア・欧米における健康リスクの管理・コミュニケーション戦略の現状についての比較実証分析を行うことを目的とする。健康リスク管理においては、安全と安心の両者を実現することが政策目標とされるが、政策選択における科学的知見の用いられ方は多様である。リスク管理の国際協調、またBSE等の通商問題を考える上で、国家間のリスク認識の差異を十分に考慮して対処すること、また一歩進めて、これを戦略的に維持・変化させることは、国際的にも国内的にも政策目標達成の有力な手段となり得る。そのため、リスクコミュニケーションにおける科学的言説の位置づけの分析は重要である。本プロジェクトの研究は多岐にわたるため、本稿では、プロジェクト全体の概要を示すと共に、BSEに関する日英仏の政策比較についての研究結果を中心として記述した。

キーワード

健康リスク管理、コミュニケーション、比較政策、アスベスト、牛海綿状脳症(BSE)