北東アジア乾燥地における持続的資源利用に向けた 生態系サービスと生物多様性の統合的評価

平成22年度 成果一覧

大黒俊哉 (東京大学大学院農学生命科学研究科生圏システム学専攻准教授)

要旨

本研究では、乾燥地の生物多様性保全と生態系サービス提供に重要な役割を果たすkey resourceを対象に、1)どのような生態系機能が発現されているのか、2)生物多様性維持にどのように貢献しているのか、の解明を試みた。中国・ホルチン砂地において、Cleistogenes.squarrosaのハビタットである丘間低地は、植生回復のコアエリアとしても重要であることから、保全区域としてのゾーニングが、地域全体の植生回復促進および資源価値の向上に貢献することが示唆された。モンゴル・ゴビステップにおいて、Achnatherum splendens、 Caragana microphylla等は、干ばつ期・冬季における家畜の餌資源やシェルターとしての機能に加え、養分蓄積や植物の定着促進等を通じて生物多様性保全にも寄与することから、保全、植栽等を通じて資源量を確保することは、非平衡環境における干ばつ等への対処として有効であることが示唆された。

キーワード

生態系サービス、生物多様性、北東アジア、乾燥地、キーリソース

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