地域的気候に関する大気質変化の化学

平成13年度 成果一覧

幸田清一郎(東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻教授)
廣川 淳(東京大学先端科学技術研究センター助教授)

要旨

気候変動、大気質化学にかかわる大気中の不均一反応に関する研究の一環として、極成層圏雲(PSCs)を模した氷薄膜に吸着したNOx化学種の光化学反応の検討を行った。すなわち真空槽中100 Kの温度でNi基板上に氷を多層吸着させ、場合によって140 Kでアニ-ルした。その上にNO2を吸着させて193 nm光で照射し脱離生成物を飛行時間(TOF)分析した。NO2は主にN2O4となって吸着する。主要脱離生成物はNO2、NO、O2である。生成物の比率やTOFスペクトルは氷薄膜の生成条件で異なった。アニ-ルされていない氷薄膜からのNOは1700 K、100 K の2成分よりなる。NOはN2O4の光解離で生じた電子励起NO2からの前期解離生成物である。個々の生成物の挙動は氷の内部ミクロ孔との相互作用に強く影響されていると結論した。

キーワード

大気質、成層圏雲、氷薄膜、表面光脱離、NOx