地球規模の気候変動に伴う水循環変動への社会的対応策の検討

平成16年度 成果一覧

花崎 直太(東京大学 生産技術研究所)
鼎 信次郎(東京大学 生産技術研究所 講師)
沖 大幹(総合地球環境学研究所 助教授)

要旨

気候変動に伴う水循環変動への適応策のグローバルな評価を可能とする目的で、世界の500の貯水池を独立に操作しながら全球の河川流量シミュレーショができるシステムの構築を行った。個々の貯水池の操作ルールは、実際に運用されているものは非公開の場合が多いため、新しく開発したアルゴリズムと現在入手可能なデータから推定した。このアルゴリズムは灌漑用と非灌漑用の2つの操作ルールを生成する。非灌漑用は河川流量の年々変動と季節変動を緩和するように、灌漑用はこれに加えて下流の灌漑用水需要を満たすように貯水池を操作する。シミュレーションの結果は世界の3つの流域の3つの貯水池で検証され、不確実性は大きいもののグローバルな研究への適用に耐える精度があることが確認された。このモデルを利用して、貯水池操作を考慮した場合としなかった場合を比較することで、全球の河川流量に対する貯水池操作の影響を定量的に評価した。この結果、貯水池操作が大陸規模の月河川流量を最大で4-43%増加させる(1-7%減少させる)効果があることが示された。

キーワード

グローバルな河川流量シミュレーション、貯水池操作、TRIP、グローバルな農事暦、グローバルな灌漑用水需要料