心理的に持続可能な環境のアジア的な規定因について—自尊心との関連を中心にして—

平成19年度 成果一覧

山口 勧(東京大学大学院人文社会系研究科社会心理学専門分野 教授)
森尾 博昭(東京大学大学院人文社会系研究科社会心理学専門分野 助手(現:札幌大学 准教授))
福沢 愛(東京大学大学院人文社会系研究科社会心理学専門分野 大学院生)

要旨

心理的に持続可能な環境では、人は自尊心を維持できるはずである。そして、この自尊心はどの文化でも心理的な幸福感と正の相関を示すことが知られている。この研究では自尊心のうち、とくにその変動性に着目し、日本というアジアの環境の中で自己改善の動機や達成動機とどのように関連しているかを検討した。被験者に毎日自尊心と自己改善及び達成動機に関する質問に回答してもらった。その結果、日々の自尊心の変動の大きい者ほど、自己改善及び達成動機も高くなることがわかった。この結果は、心理的に持続可能な環境では自己評価にかかわる出来事に応じて人が自尊心を変動させるようなものであることを意味していると考えることができる。

キーワード

自尊心、自己改善動機、達成動機、幸福感