技術の副次性に着目したインフラの社会的影響に関する研究

平成18年度 成果一覧

湊 隆幸(東京大学大学院新領域創成科学研究科国際協力専攻 准教授)

要旨

 社会に導入されたインフラは、その直接的な使用目的(たとえば、道路ができて交通が便利になる、ダムができて灌漑や防災の効果が向上する)を遙かに超えて、社会全体の編成基準や持続性にまで影響を及ぼすことがある。開発されたインフラの工学的あるいは経済的視点のみに注目を集めてしまえば、インフラの実際の社会における社会的効果や影響は考慮されなくなる。特定の問題を解決するために導入されたはずのインフラが、当初は意図されなかった効果、つまり、副次的な作用をもつことが最近認識されるようになった。それらは、環境面への悪影響、経済的悪影響、さらには人々の協力や支配従属関係をも規定するような「政治的作用」である。本文は、社会科学分野の技術哲学の視点を援用しながら、インフラの直接的目的ではなくその副次的効果について行った、事例研究を記述したものである。

キーワード

技術、インフラ、社会的適合、副次性