持続可能な幸福感についてのアジア的視点からの実証研究

平成21年度 成果一覧

山口 勧(東京大学大学院人文社会系研究科)
福沢 愛(東京大学大学院人文社会系研究科)

要旨

日本人の主観的な幸福感と、経済的な豊かさなどを考慮した客観的な指標は、国際的にかい離している。これまでの尺度では、より持続的な関係を求めるアジア的な幸福感がうまく測定されていなかったことが考えられる。そこで、「幸福感の程度」を直接測定し、それがどのような個人特性によって説明されるかを検討した。その結果、これまでの尺度では不十分ということがわかったが、謙遜、恥の感受性、といった特性との関連は確認されなかった。 これまでの研究で、たいていの人が自分は幸福である、と回答する傾向がわかっている。しかし、国ごとの幸福感を調べると、GDPと研究対象者の回答する幸福感とは、正の相関をしており( r = .58 から.84)、日本を含めて東アジアは、ラテンアメリカ諸国よりも経済的に豊かであるにもかかわらず、彼らよりも低い幸福感を回答する傾向がみられている(Diener et al., 1995)。もちろん、こうした自己報告が実際に人々が経験している幸福を反映しているかどうかは、疑問であり、アジア的な視点からこの問題を考える必要がある

キーワード

幸福感, アジア的視点, 自尊心, 自己制御

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