持続可能な流域管理―4つの流域の国際比較-

平成12年度 成果一覧

大垣 眞一郎(東京大学大学院 工学系研究科都市工学専攻教授)
古米 弘明(東京大学大学院 工学系研究科都市工学専攻教授)
滝沢 智(東京大学大学院 工学系研究科都市工学専攻助教授)

要旨

世界の水資源は加速度的に汚染と枯渇の度合いを高め、持続可能な開発と人類及び生態系の健康を危機にさらしている。アメリカ、日本、スイス、及びブラジルの4つの河川流域でのケーススタディから、本研究では持続可能性に対する最も重要な欠損事項を抽出し、持続可能な水管理への指針を明らかにした。過去数十年に亘る人口増加と経済開発により、それぞれの流域は水質悪化、流量の低下、生物資源の減少に悩んできた。先進工業国で採用された、エネルギー・社会資本偏重型の解決策は、必ずしも新興工業国や開発途上国での解決策とはならない。水の再利用は、有力な解決策の一つであるが、再利用技術が石油資源に依存していることや、再利用水の安全性については未だ疑問がある。将来にわたって政治及び社会経済の枠組みをも含んだ、国際的な流域研究を続けることによって、持続可能な流域管理の指針づくりに役立つものと考えられる。