持続可能な社会システムの形成確保

平成22年度 成果一覧

村山 麻衣(東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系国際協力学専攻 課程博士)
國島 正彦(東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系国際協力学専攻 教授)

要旨

国際交渉と日本国内との二つのレベルにおける意思決定・制度設計のメカニズムの調査分析により、持続可能な社会システムを形成するための課題について考察した。国際交渉では、気候変動問題の国際的な意思決定の場である気候変動枠組条約の交渉議題を構造分析した。ここから、「共通だが差異ある責任」の南北対立についての交渉は「共通」に失敗し、「差異」に進捗が遅いこと、および技術移転問題が基盤にあることを明確にした。気候変動枠組条約における技術移転問題の交渉構造を、イノベーションや技術のライフサイクルの観点による技術移転論と照合したことにより、気候変動枠組条約における先進国と途上国とで異なる技術移転の捉え方は、対象とする技術のライフサイクルの時期の違いにあるといえることがわかった。日本国内については、地方における公共交通の事例分析により、ある課題の解決には、その周辺の更に大きな課題との融合が必要であり、大きな課題は、それが内包している個別具体的な課題の解決と協働することが重要であるとの双方向における課題のスケール間についての示唆を得た。

キーワード

国際交渉、技術移転、衡平性、地方都市、公共の福祉

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