持続可能な社会基盤施設のための設計・モニタリング・メインテナンス戦略

平成15年度 成果一覧

松本 高志(東京大学 大学院工学系研究科社会基盤学専攻 助教授)
阿部 雅人(東京大学 大学院工学系研究科社会基盤学専攻 助教授)
石田 哲也(東京大学 大学院工学系研究科社会基盤学専攻 助教授)
岸 利治(東京大学 生産技術研究所 助教授)

要旨

社会・経済を支える道路や橋梁等の社会基盤施設の持続可能性は、持続可能社会の前提となる。ところが、技術的課題に加えて財政的な制約も存在することから、十分なメインテナンスが不可能な場合が多い。より厳しい制約下にある発展途上国では、適切なメインテナンスがなされていれば継続使用可能である施設を撤去・再構築せざるを得ず、結果的に環境負荷の増加をもたらすのみならず社会基盤投資を不必要に増大させるという悪循環が生じている例も見られる。本プロジェクトでは、近年発展めざましい各種新技術、特に、社会基盤施設の管理/点検/モニタリング/計測/情報工学/人工知能/一般設計学等において各共同研究者が独自に蓄積してきた研究成果を融合させ、ライフサイクルコストを最小化する設計・モニタリング・メインテナンスの一貫戦略を構築することを目指して研究を行っている。それにあたって、東京大学・マサチューセッツ工科大学・スイス連邦工科大学ローザンヌ校の3大学4グループによる学際的な共同研究体制を発足させ、本研究でそれぞれのグループの主たる検討対象である(1)ネットワーク信頼性、(2)ヘルスモニタリング、(3)診断支援システム、(4)メインテナンスを考えた設計論理の4点についての研究を進めている。本年度は、特に、近年経済発展が著しく、社会資本の蓄積が急速であるため、上記問題が大規模に顕在化しつつあるアジア地域との連携を深めることを目的とし、世界の主要地域から招待講演者を迎え、国際フォーラムを開催した. これまで、AGSの枠組みで研究を進めてきた先端的研究を基礎に、アジア地域のおけるインフラ老朽化問題の経緯と現状の把握、持続可能な社会基盤を達成するための知識、技術、先行国の教訓などを交換・共有し、近年急速に経済発展を遂げた諸国で問題となるであろうマスメインテナンスの問題を克服するために今後何が必要とされるかを議論を行った。

キーワード

社会基盤、設計論理、モニタリング、メインテナンス、アジア、国際フォーラム