持続的な穀物栽培システム確立のための農業生態学的研究 -小区画圃場における耕起とSSCM-

平成13年度 成果一覧

中元朋実(東京大学 大学院農学生命科学研究科農学国際専攻助教授)
山岸順子(東京大学 大学院農学生命科学研究科農学部附属農場助教授)
小柳津広志(東京大学 大学院農学生命科学研究科農学国際専攻教授)

要旨

小区画圃場において土壌と作物の局所管理(SSCM)を実現するにあたっては,土壌の性質や作物の生育の空間変動が管理可能な大きさの空間依存性を示すことが求められる.減耕起(MT)区と慣行のプラウ耕による耕起(CT)区とを設け,コムギとトウモロコシの地上部バイオマスを,管理方向平行なサンプリング直線に沿って5mの間隔で測定し,えられたセミバリオグラムから直線モデルによって算出した影響圏が5m以上であるか否かを基準に,空間依存性の有無を判定した.空間依存性を示したサンプリング直線の頻度は,MT区に比べてCT区で高かった.また,コムギはトウモロコシよりも強い空間依存性を示した.以上の結果より,慣行のプラウ耕では減耕起を実施した場合に比べて局所管理を有効に実施できる可能性が高いと考えられた.小区画圃場でSSCMを実現するには,圃場の管理方向の変動を把握しこれに対応することが有効であろう.

キーワード

局所管理、空間変動性、耕起、精密農業、地上部バイオマス