東南アジアの資源行政試論:タイ、フィリピン、インドネシアの比較分析

平成21年度 成果一覧

佐藤仁 (東京大学東洋文化研究所准教授)

要旨

東南アジアでは先進的な環境保全のための制度や規制が先進諸国から持ち込まれてきたが、具体的な政策実施に至ることは少なく、環境劣化に歯止めがかからない。この理由として、人材や財源の不足、あるいは官僚の意識の低さなどが槍玉にあがることが多いが、例えば、タイの行政府を見る限り、環境保全を扱う部署にはそれなりの予算と人材が手当てされており、官僚の問題意識も高い。問題は、環境保全を扱う部署にあるのではなく、生産を扱う部署が規制や抜本的な政策に対して拒否権を発動することによって、環境政策が骨抜きにされてしまうことである。本研究はタイを事例にしてこれがどのように生じるのかを明らかにし、次につながる国際比較研究への布石とする。

キーワード

専門知識,知識ネットワーク,理論的推論,セマンティック・マッチング,知識記述,サステイナビリティ学

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