次世代燃料が大気環境に及ぼす影響評価

平成19年度 成果一覧

戸野倉 賢一(東京大学環境安全研究センター  准教授)

要旨

ヒドロキシアルキルラジカル(RCHOH)と 酸素分子の反応は対流圏中におけるアルコールの酸化過程で重要な反応である.特に,ヒドロキシメチルラジカル(CH2OH)と酸素分子の反応は近年消費の激しいメタノールの対流圏大気酸化過程を考える中で重要である.この反応の速度定数は様々な手法で測定されており,常温,全圧1-760 Torrでの条件においてk = (8.6-11.7)×10-12 cm3 molecule-1 s-1と報告されている.反応速度は200-700 Kの温度範囲で非アレニウス型の振る舞いをしており,最近の量子化学計算の結果によって,H2C(OO)OHという中間体を経由するような反応機構が提案されている.本研究では単一の実験系で236-600 Kの温度領域において反応速度定数を決定し,ミクロカノニカル変分遷移状態理論による計算結果との比較によりその反応機構の検討を検討した.その結果を用いてヒドロキシメチルラジカルの大気寿命を算出した.その結果から,HO2とH2COの大気組成にCH2OHとO2の反応が影響を与えることが示唆された.

キーワード

都市大気,次世代燃料, メタノール,大気寿命