消費者の環境管理支援システムの設計

平成15年度 成果一覧

福島康裕(東京大学 工学系研究科化学システム工学専攻助手 現 國立成功大學環境工程學系助理教授)

要旨

産業界における環境管理は進められてきているが、消費者が自らの行動と関連した環境負荷・持続可能性への影響を把握し管理するための仕組みは確立していない。日本における環境家計簿はそのような試みのひとつといえるが、十分に活用され、消費者に活用されているとはいえない。本プロジェクトにおいては、まず多くの既存の研究で得られた知見をどのように消費者に伝えるのか、製造業や産業にむけた研究成果のうち消費者にとって有用な情報とはどのようなものか、消費者自身が持つ有益な情報をどうしたら共有できるか、ということを明らかにするために、消費者が利用可能なさまざまな既存の情報を整理した。特に、環境家計簿については、詳細な情報の流れを調査した。さらに、新たに消費者のための環境管理システムを設計した。具体的には IDEF0を用いてアクティビティモデルを記述し、情報のインプットとアウトプット、管理に含まれるアクティビティ、ツール、条件などの相互の関係を明らかにした。また、消費者の取りうる行動の違いによる環境影響を、企業の環境報告書や公開された情報からLCA(ライフサイクルアセスメント)を用いて定量化して提供し、行動の改善に役立てるためのツールEcoLifeを試作し、いかにして消費者の、環境影響の総合的把握に必要な思考を可能にするかという課題にひとつの回答を提案した。本プロジェクトの内容は2度に分けてLCAおよび持続可能な消費に関する国際学会で発表され、ISIE(International Society of Industrial Ecology)の会報にて、「最も興味深い研究発表」として紹介され、実用化に向けた関心と今後の開発への期待が示された。

キーワード

持続可能な消費、環境家計簿、EcoLife、IDEF0機能モデル