湿潤熱帯アジアにおける持続可能な農村開発に向けたランドスケープ・サステイナビリティ評価

平成20年度 成果一覧

大黒 俊哉(東京大学大学院農学生命科学研究科生圏システム学専攻)
大久保 悟(東京大学大学院農学生命科学研究科生圏システム学専攻)

要旨

湿潤熱帯アジアの農村では,食糧増産と環境保全,および貧困撲滅の同時達成が持続可能な地域社会構築に不可欠である。本研究では,インドネシア西ジャワ州の丘陵地に位置する一農村を事例地域として,地域の生態系供給サービスとして重要な位置を占める湧水および燃料木の持続的利用を基準とした,農村ランドスケープの持続可能性評価を試みた。評価に際し,各資源のエンドユーザの利用実態および利用上の問題意識に注目した。その結果,対象農村の約20%および35%が,それぞれ燃料木と湧水に依存していることが分かった。燃料木の採取場所として,bamboo-tree garden(BTG)が95%の燃料木ユーザに利用されていた。湧水に関しては,季節を通じた水質の悪化,近年の湧出量の変化が認識されており,集水域内のBTGから耕作地への転用割合の増加と共に,その問題意識が高くなることが分かった。以上のことから,地域内のBTG保全が,対象地域の持続可能な生態系供給サービス確保に重要であることが結論づけられた。

キーワード

インドネシア西ジャワ,生態系供給サービス,湧水,燃料木,エンドユーザ認識

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