燃料添加剤のグローバル持続性への影響

平成12年度 成果一覧

田村 昌三(東京大学大学院 新領域創成科学研究科環境学専攻)
新井 充(東京大学大学院 新領域創成科学研究科環境学専攻)
阿久津 好明(東京大学大学院 新領域創成科学研究科環境学専攻)

要旨

燃料にオクタン価向上剤やセタン価向上剤、その他の燃料添加剤を加えたときの、未燃物質、燃焼生成物あるいは中間物質を含めた排気ガスの大気環境への局地的及び広域における影響について検討を行い、燃料添加剤の大気環境影響評価手法の確立と大気環境影響を低減させる燃料添加剤の開発を目指している。

ここでは、まず、燃料添加剤を燃料に加えることによる燃焼生成物の変化を化学平衡計算により評価した。ガソリンへのオクタン価向上剤の添加によりCO、CO2、NOx 生成量は減少した。添加剤によるガソリンの燃焼生成物の変化は添加剤の組成および生成エンタルピーに依存した。ディーゼル燃料にセタン価向上剤を添加した際の燃焼生成物の変化は、添加剤の組成よりも添加による着火遅れ時間の減少、それに伴う燃焼温度の低下に強く依存することが示された。

次に、光化学ボックスモデルにより、オクタン価向上剤とセタン値向上剤を添加した燃料を使用したときの東京都での大気汚染物質の濃度分布を算出し、汚染 物質濃度に影響する因子を検討した。その結果、オクタン価向上剤の添加により、オゾンとPAN(パーオキシアシルナイトレート)が増加し、オゾン濃度は主に車からの排気ガスの光化学反応性と固定発生源からの炭化水素排出に影響され、PAN濃度は主に車からの排気ガスの光化学反応性に影響されることが示された。また、セタン値向上剤の添加により、オゾン、PAN濃度が減少し、それらは車からの排気ガスの光化学反応性に影響されることが示された。