環境調和型選択酸化反応系の開発

平成15年度 成果一覧

水野 哲孝(東京大学 大学院工学系研究科応用化学専攻 教授)

要旨

分子状酸素や過酸化水素を酸化剤とした炭化水素類の選択酸化反応に対し高い活性を有する触媒の開発を目指し、触媒活性点構造を精密に制御することが可能なアニオン性金属酸化物クラスター分子であるポリオキソメタレートを合成・同定しその反応特性を検討した。10個のタングステンから構成されたタングステン- ケイ素酸化物クラスターが、過酸化水素を酸化剤としたオレフィン酸素化(エポキシ化)反応に対して高い触媒活性を示すことを見出した。この触媒はプロピレンを含む様々な基質に対して適用可能であった。さらに多価アニオンであるポリオキソメタレートの対カチオンとして分子性金属錯体カチオンを導入することで、特殊反応場となり得る微小空間を有する結晶性多孔体を合成した。アニオン電荷の大きなポリオキソメタレートを基本構成要素とすることで、エタノールと水の共沸混合物から水のみを選択的に吸着分離し、しかもその脱水能がモレキュラーシーブを上回る新規機能性固体を開発することに成功した。

キーワード

過酸化水素、炭化水素、選択酸化、ポリオキソメタレート、分子認識