環境調和型選択酸化反応系の開発

平成18年度 成果一覧

水野 哲孝(東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻専攻 教授)
山口 和也(東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻専攻 講師)
内田 さやか(東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻専攻 助教)

要旨

2個のヒドロキソ基により架橋されたV-(μ-OH)2-Vサイトを有するポリオキソメタレート[?-H2SiV2W10O40]4- (I) が過酸化水素を酸化剤とした種々のオレフィン類のエポキシ化反応に対して、高活性、高選択性を示すことを見出した。種々の分光学的手法および量子化学計算により、Iと過酸化水素の反応により、ヒドロペルオキソ種が[?-HSiV2W10O39(OOH)]4? (II) 生成し、続く脱水反応により本エポキシ化反応の活性種であるμ-η2:η2-ペルオキソ種[?-SiV2W10O38(O2)]4- (III) が生成することを明らかにした。さらに、イミダゾリウムカチオンを有するイオン性液体で表面修飾したSiO2を調製し、Iを静電的な相互作用により強固に固定化することに成功した。本触媒では、反応中の活性成分の溶出もなく、触媒活性および選択性も相当する均一系触媒と比べてほぼ同程度であることから、均一系の触媒活性を保持したまま固体上に担持できたといえる。

キーワード

ポリオキソメタレート、エポキシ化、オレフィン、過酸化水素、バナジウム