産業の化学物質利用による環境および健康リスクの評価

平成18年度 成果一覧

平尾 雅彦(東京大学大学院工学系研究科化学システム工学専攻 教授)
菊池 康紀(東京大学大学院学系研究科化学システム工学専攻 大学院生)

要旨

産業における化学物質の使用は様々な環境影響や健康影響を与える。これらの化学物質リスクを適切に評価し、設計や改善に活かす仕組みが必要である。本研究では、化学物質を多量に使用・排出する産業洗浄プロセスを取り上げる。産業洗浄は、製造工程間で次の工程を行いやすくしたり、製品の仕上げを行なったりするために行われる。化学物質のリスク削減のため、すでに洗浄プロセスの改良や代替洗浄剤の採用などの対策が採られてきているが、これらは経験的な知識よって実施され、適切なリスク評価を行っている例はほとんどない。産業洗浄においては揮発性の高い溶剤や爆発性を伴う溶剤を使用し、その製造や使用後の処理、それに伴う移動も発生することから、各事業所におけるリスクを考慮することはもちろん、ライフサイクル全体でのリスクや環境影響まで考えた上で、対策技術を評価する必要がある。本研究では、リスクアセスメントとライフサイクルアセスメントの実施方法を明確にするとともに、両手法の共通点と相違点を比較・検討し、それらを統合した産業洗浄プロセスの評価手法を提案する。

キーワード

化学物質リスク、産業洗浄、リスクアセスメント、ライフサイクルアセスメント