石炭のガス吸着置換実験 (CO2炭層固定量評価に関する研究)

平成16年度 成果一覧

島田 荘平(東京大学 大学院新領域創成科学研究科環境学専攻 助教授)
大島 義人(東京大学 大学院新領域創成科学研究科環境学専攻 教授)

要旨

コールベッドメタンの増進回収では、石炭層内に吸着されているCH4をCO2や発電所からの排ガスなどで強制的に置換させ、CH4を回収する。単一ガスの石炭への吸着量に関しては、いろいろな測定結果が報告されているが、増進回収で石炭層内で実際に生じている、ガスの置換に関する実験は数が少ない。そこで赤平炭を用いて石炭中でのガス置換実験を行い、そのメカニズムと単一ガス吸着との違いを検討した。2.4MPaの圧力でCH4を吸着した石炭に、100% CO2を3.0MPa, 4.0MPa, 5.0MPa, 6.0MPaの圧力で注入し、CH4の脱着量を求めた。また、同じ条件で石炭にCO2-N2 混合ガス及び100%N2 を 3.0MPa、6.0MPaの圧力で注入し、CH4の脱着量を求めた。実験結果からCO2はCH4、N2より優先的な吸着能力を持っていることがわかった。石炭のガス吸着に良く当てはまると言われている、Langmuir 式をもとに、その混合ガスの場合の拡張Langmuir式による計算値と実験値を比較した。その結果、「CO2の計算値は実験値より大きく、CH4の計算値は実験値より小さい」と言う結論が出た。このような結果は、CO2がCH4と比べてその分子直径が小さいためミクロポアのほかに超ミクロポアにも侵入できると言う”分子ふるい効果”のためと考えられる。

キーワード

CO2、CH4、置換、拡張Langmuir式、赤平炭