砂漠化地域の緑化技術確立のための菌根菌の役割の解明

平成22年度 成果一覧

福田 健二(東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻 教授)
小田あゆみ(東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻 客員共同研究員)
臼杵 裕之(東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻 博士課程)
宮田 正規(東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻 博士課程)
Zaal Kikvidze(東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻 准教授)
呉 炳雲(東京大学大学院農学生命科学研究科森林科学専攻 助教)

要旨

一次遷移における裸地への植物の定着過程では、先に定着した植物が後続種の定着を促進する例が知られている。中国の半乾燥地では、ヒノキ科低木の臭柏(Sabina vulgaris)の実生は看護植物である烏柳の下にのみ定着できる。臭柏の葉には二型があり、実生段階では針状葉(針葉)のみをつけるが、成木では鱗片葉と針葉とがみられる。針葉は、鱗片葉に比べて、葉の形成のためのコストが低くバイオマス当たりの光合成能力が高い一方、光合成における水利用効率が低く、乾燥に弱い特性を持つ。このことから、針葉のみをもつ実生の性質は、看護植物の下での更新に適応していることが示された。この臭柏の定着過程でのアーバスキュラー菌根(AM)菌相を調査した結果,更新初期に共生する菌種は,更新後期になってから加入する菌種に比べて,土壌の乾燥に対する耐性が強いことが推測された.

キーワード

実生更新、針葉、鱗片葉、看護植物,アーバスキュラー菌根

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