脱硫石膏による中国アルカリ土壌の改良

平成15年度 成果一覧

定方 正毅(東京大学 工学系研究科化学システム専攻教授)
酒井 裕司(東京大学 工学系研究科俯瞰環境工学寄付講座助手)
設楽 昇平(東京大学 工学系研究科化学システム専攻学生)

要旨

大気汚染と砂漠化の同時解決を目指し、中国において脱硫石膏を用いたアルカリ土壌改良を行っている。湿式及び半乾式脱硫石膏をアルカリ土壌に施用し生育試験を行った結果、共に改良効果を確認することができた。しかしこれについての詳細な土壌改良メカニズムは明らかにされていない。そこで本研究では土壌カラムを用いて実験を行い、土壌の化学性(土壌pH、EC、溶液濃度など)、土壌の物理性(透水係数、団粒化、空隙など)について検討を行うことで改良メカニズムを明らかにする。土壌改良剤として硫酸カルシウム(CaSO4)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を用いた。結果、カラム内のECと排出液中のpH、EC、各種イオン濃度で高い相関性を確認した。さらにこの関係から改良メカニズムを推察した。物理性の検討では、硫酸カルシウムより水酸化カルシウム混合時、団粒がより多く形成され透水性が高いことがわかった。また、アルカリ土壌では観察できなかった空隙を、カルシウム化合物により改良された土壌で観察することができた。

キーワード

中国、大気汚染、砂漠化、アルカリ土壌、土壌改良