自動車排ガスに由来する粒子付着多環芳香族炭化水素の 都市大気中での挙動とリスク評価 -タイ・バンコクにおける事例研究-

平成18年度 成果一覧

山本 和夫(東京大学環境安全研究センター     教授)
星子 智美(東京大学工学系研究科都市工学専攻  博士課程)

要旨

自動車大気汚染による健康影響が懸念される発展途上国の都市の一つであるバンコクを対象とし、浮遊粒子付着多環芳香族炭化水素類(PAHs)の沿道大気環境における挙動及び健康リスクを明らかにすることを目的として、道路構造の異なるバンコク市内の沿道2地点においてPAH濃度調査を行った。2地点の比較により、高架道路構造は道路空間内の気流を停滞させ、PAH汚染レベルを悪化させることが示唆された。また、一日の中の交通流及び車種構成変化が、PAH組成の時間変動に影響を与えることが推測された。さらに、PAHsは主に人の呼吸器に摂取される可能性の高いサブミクロン領域に多く分布しており、2地点の肺ガン発ガンリスクは6.4E-05、及び4.3E-05であり、2地点のPAH汚染は、リスクとして無視できないレベルといえる。

キーワード

多環芳香族炭化水素、粒子状物質、粒径、健康リスク、沿道大気環境、バンコク