薪炭にみる伝統都市のエネルギー供給システム

平成18年度 成果一覧

吉田 伸之(東京大学大学院人文社会系研究科日本史学 教授)
川勝 守生(東京大学大学院人文社会系研究科大学院生? 博士課程)

要旨

日本近世の巨大都市江戸と周辺地域をめぐる燃料エネルギー、すなわち薪炭の需要と供給構造の総合的解明をめざし、その基礎研究として着手した。江戸周辺の薪炭生産地の中で、下総佐倉藩の国産品(専売品)であった佐倉炭や、利根川水系の薪荷流通を中心に取り上げ、(1)千葉市市場町・和田憲治郎氏所蔵文書における、佐倉藩国産炭会所、千葉町炭薪仲買仲間関係史料の収集と分析、(2)我孫子市・染谷家文書における、薪の集荷と江戸向け送出システム関係史料の収集と分析、の二つを中心に成果を得た。そして、炭と薪それぞれの集荷システムや、江戸への送出ルートを検討し、利根川水系による「奥川」ルートと、江戸内湾を経る「海手」ルートの構造、これらの流通を支える諸社会集団の一端などについて、その特質を考察した。

キーワード

江戸、佐倉藩、千葉、薪炭、問屋