超高齢社会対応の移動に関する調査研究 ―高齢男性における運転行動の関連要因―

平成21年度 成果一覧

鎌田 実(東京大学大学院工学系研究科)
吉江 悟(東京大学総括プロジェクト機構ジェロントロジー寄付研究部門)
菅原 育子(東京大学総括プロジェクト機構ジェロントロジー寄付研究部門)
村山 洋史(東京大学大学院医学系研究科)
涌井 智子(東京大学大学院医学系研究科)
荒見 玲子(東京大学大学院法学政治学研究科)
二瓶 美里(東京大学大学院法学政治学研究科)

要旨

今後急速な高齢化の進展が見込まれる東京近郊の一市(千葉県柏市)の住民を対象とした質問紙調査を2009年2月に実施した。結果、運転を含む各種移動手段の性・年齢階級別の使用状況が示された。さらに、高齢男性の運転行動と関連する要因として、(1) 普段の移動手段として自転車を使っていないこと、(2) 外出にあたって不自由がないこと、(3) 高齢者の中でも年齢が若いこと、(4) 世帯収入が高いこととともに、(5) 公共交通機関や市街地への主観的/客観的なアクセスが関連していた。高齢男性の運転行動には身体的/認知的機能といった個人的要因のみならず、交通アクセスと言う環境要因が大きく関与していたことから、運転中止に際しては、交通・地域環境にも十分配慮する必要があると考えられた。また、80歳を超えても自転車を運転する男性が3割程度みられ、自動車の代替移動手段として用いられている可能性も考え得るため、高齢者による自転車運転の安全性についても今後検討の余地があると考えられる。

キーワード

移動, 運転, 高齢者, 近隣環境, 質問紙調査

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